日本語HP DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS

日本語HP DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS

リリース・ノート


2005 年 2 月

本書では,日本語DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS の制限事項,使用方法に関するヒント,その他有用な情報について説明します。

ソフトウェア・バージョン: 日本語HP DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS, V2.4
   
オペレーティング・システム: 日本語OpenVMS Alpha V6.2, V7.3-2, V8.2
  日本語OpenVMS I64 V8.2
  日本語OpenVMS VAX V5.5-2, V6.2, V7.3


2005 年 2 月

© 2005 Hewlett-Packard Development Company, L.P.

Microsoft および Windows は米国 Microsoft 社の商標です。

このドキュメントに記載されているその他の会社名および製品名は,各社の商標または登録商標です。

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まえがき

本書の対象読者

このドキュメントでは,本バージョンの日本語 DECprint Supervisor における新機能,問題点の修正,使用上のヒント,制限事項,およびその他の情報について説明します。このドキュメントは, DCPS をインストールするシステム管理者,および実際に使用する一般ユーザを対象としています。

本書の構成

本書の構成は以下のとおりです。

関連資料

DCPS については下記のドキュメントを参照してください。

表 1 日本語 DECprint Supervisorドキュメント
『リリース・ノート』 DCPS の使用上の注意事項について説明しています。
『インストレーション・ガイド』 DCPS のインストール方法について説明しています。
『システム管理者ガイド』 システム管理者,データセンタ・オペレータ,アプリケーション・プログラマが, DCPS プリント・キューをどのように作成/管理し,印刷に関する問題を解決するかを説明します。
『ユーザーズ・ガイド』 DCPS を使用して PostScript プリンタに印刷する方法について説明しています。
『ソフトウェア仕様書 (SPD 48.27.xx) 』 DCPS がサポートするプリンタの一覧, DCPS V2.4 の機能と動作環境について説明しています。

HP OpenVMS の製品およびサービス情報については,下記のURLの Web サイトを参照してください。


http://www.hp.com/jp/openvms/ (日本語) 
http://www.hp.com/go/openvms/ (英語) 

本書の表記法

このドキュメントでは以下の表記法を使用します。

表記法 意味
Ctrl/ x Ctrl/ x という表記は,Ctrl キーを押しながら別のキーまたはポインティング・デバイス・ボタンを押すことを示します。
[Return] 例の中で,キー名が四角で囲まれている場合には,キーボード上でそのキーを押すことを示します。テキストの中では,キー名は四角で囲まれていません。

HTML 形式のドキュメントでは,キー名は四角ではなく,括弧で囲まれています。

... 例の中の水平方向の反復記号は,次のいずれかを示します。

  • 文中のオプションの引数が省略されている。

  • 前出の 1 つまたは複数の項目を繰り返すことができる。

  • パラメータや値などの情報をさらに入力できる。

.
.
.
垂直方向の反復記号は,コードの例やコマンド形式の中の項目が省略されていることを示します。このように項目が省略されるのは,その項目が説明している内容にとって重要ではないからです。
( ) コマンドの形式の説明において,括弧は,複数のオプションを選択した場合に,選択したオプションを括弧で囲まなければならないことを示しています。
[ ] コマンドの形式の説明において,大括弧で囲まれた要素は任意のオプションです。オプションをすべて選択しても,いずれか 1 つを選択しても,あるいは 1 つも選択しなくても構いません。ただし, OpenVMS ファイル指定のディレクトリ名の構文や,割り当て文の部分文字列指定の構文の中では,大括弧に囲まれた要素は省略できません。
[|] コマンド形式の説明では,括弧内の要素を分けている垂直棒線はオプションを 1 つまたは複数選択するか,または何も選択しないことを意味します。
{ } コマンドの形式の説明において,中括弧で囲まれた要素は必須オプションです。いずれか1のオプションを指定しなければなりません。
太字 太字のテキストは,新しい用語,引数,属性,条件を示しています。
italic text イタリック体のテキストは,重要な情報を示します。また,システム・メッセージ ( たとえば内部エラー number),コマンド・ライン ( たとえば /PRODUCER= name),コマンド・パラメータ ( たとえば device-name) などの変数を示す場合にも使用されます。
UPPERCASE TEXT 英大文字のテキストは,コマンド,ルーチン名,ファイル名,ファイル保護コード名,システム特権の短縮形を示します。
Monospace type モノスペース・タイプの文字は,コード例および会話型の画面表示を示します。

C プログラミング言語では,テキスト中のモノスペース・タイプの文字は,キーワード,別々にコンパイルされた外部関数およびファイルの名前,構文の要約,または例に示される変数または識別子への参照などを示します。

-- コマンド形式の記述の最後,コマンド・ライン,コード・ラインにおいて,ハイフンは,要求に対する引数がその後の行に続くことを示します。
数字 特に明記しない限り,本文中の数字はすべて 10 進数です。10 進数以外 (2 進数,8 進数,16 進数) は,その旨を明記してあります。


第 1 章
英語版 DCPS と日本語 DCPS との対応

日本語 DECprint Supervisor V2.4 for OpenVMS は,英語版 DECprint Supervisor V2.4 for OpenVMS を日本語用に拡張した製品です。本製品によって,さまざまな日本語 PostScript プリンタがサポートされます。

なお,英語版 DECprint Supervisor V2.4 は,現時点では日本でサポートされていないプリンタ製品もサポートしています。日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS ではそれらのプリンタをサポートするための機能を削除してはいませんが,それらの機能に対する弊社からのサポートは受けられません。また,日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS には,HP PCL トランスレータなど,日本語に対応していないコンポーネントもそのまま含まれています。今後,サポートされるプリンタ製品および日本語機能が追加された場合には,その時点の『ソフトウェア仕様書』および『リリース・ノート』に記述します。


第 2 章
日本語 DCPS V2.4 について

この章では,日本語 DCPS V2.4 で変更された機能について概要を説明します。いくつかの変更点については,本書の別の箇所でも詳細に説明しています。

日本語 DCPS V2.4 は英語版 DCPS V2.4 をもとに開発されており,英語版 V2.4 の機能に加え,日本語機能の拡張が行なわれてます。

英語版 DCPS V2.4の機能変更については, 第 3 章 を参照してください。

2.1 新しいプリンタのサポート

日本語 DCPS V2.4 では,新たに次のプリンタがサポートされます。

注意

HP LaserJet プリンタまたは HP Color LaserJet プリンタで日本語を印字するためには,別売の日本語 PostScript フォント・メモリ・モジュール(DIMM) またはコンパクト・フラッシュ・メモリ・カードが必要になります。詳細は 第 5.1 節 を参照してください。

2.2 日本語 DCPS V2.4 に含まれない機能

次の機能は,日本語 DCPS V2.4 では提供しません。

2.3 対応ソフトウエア

日本語 DCPS V2.4は下記のソフトウェアバージョンに対応します。

各ソフトウェアのサポート・バージョンについては次の表を参照してください。

OpenVMS TCP/IP Services DECnet DECnet-Plus
Alpha V6.2 V4.2 V6.2 V6.3
Alpha V7.3-2 V5.4 V7.3-2 V7.3-2
Alpha V8.2 V5.5 V8.2 V8.2
I64 V8.2 V5.5 V8.2 V8.2
VAX V5.5-2 V4.0 V5.5-2 --
VAX V6.2 V4.2 V6.2 V6.3
VAX V7.3 V5.3 V7.3 V7.3

注意

3 MultiNet for OpenVMS および TCPware for OpenVMS は,米国 Process Software 社の製品です。

3 MultiNet for OpenVMS および TCPware for OpenVMS は,米国 Process Software 社の製品です。

2.4 日本語ドキュメント

日本語 DCPS V2.4 では以下のドキュメントを改訂しています。

本リリースでは,以下のドキュメントについては改訂していません。前バージョンのものがそのままご利用いただけます。


第 3 章
英語版 DCPS V2.4について

ここでは,DCPS V2.4 における変更点について説明します。これらの変更点の多くは,本書以外でも説明されていますので適宜参照してください。

3.1 DCPS V2.4 の変更点

3.1.1 Integrity サーバのサポート

DCPS V2.4 では, Alpha システムおよび VAX システムに加え, OpenVMS I64 V8.2 がインストールされた HP Integrity サーバをサポートします。

3.1.2 新しいプリンタのサポート

英語版 DCPS V2.4 では,新たに以下のプリンタをサポートします。

HP 9085 MFP1
HP Color LaserJet 2550
HP Color LaserJet 4650
HP Color LaserJet 5550
HP Color LaserJet 9500 MFP
HP LaserJet 2410
HP LaserJet 2420
HP LaserJet 2430
HP LaserJet 4250
HP LaserJet 4345 MFP
HP LaserJet 4350
HP LaserJet 9040 MFP
HP LaserJet 9050
HP LaserJet 9050 MFP
Xerox Phaser 45002
Xerox Phaser 62502
Xerox Phaser 73002
Xerox Phaser 77502
Xerox Phaser 84002

3.1.3 メディア・タイプ・セレクション機能の追加

DCPS では,トレイ番号と用紙サイズによる用紙の選択に加えて,メディア・タイプによる用紙の選択が可能になりました。

メディア・タイプは,特定のトレイでロードされる用紙のタイプを指定するためにプリンタに対して設定されます。通常,デフォルトは PLAIN です。その他のメディア・タイプとして, COLOR,LETTERHEAD,PREPRINTED,PREPUNCHED および RECYCLED が選択できます。ある用紙トレイが特定のメディア・タイプに設定されている場合は,そのトレイの用紙を使用して印刷を行うのは,そのメディア・タイプを要求しているジョブだけです。

DCPS ジョブでメディア・タイプを選択するには,次の例のように MEDIA_TYPE パラメータを使用します。


    $ PRINT /PARAMETERS=MEDIA_TYPE=media-type file-name

MEDIA_TYPE パラメータには,任意の値を指定することができます。メディア・タイプは,プリンタのフロント・パネルあるいは web ページではではしばしは省略形で表記される点に注意してください。たとえば,メディア LETTERHEAD の設定は LTRHEAD と省略されることがあります。ほとんどの場合は,完全な名前でも省略名でも,どちらでも指定できます。

プリンタで現在使用中のメディア・タイプを指定する必要があります。ご使用のプリンタでそのメディア・タイプが利用できない場合は,次のいずれかの結果になります。

どちらの動作になるかは,プリンタの特性によって異なります。たとえば,Deferred Media Selection が有効になっている HP プリンタでは,指定したメディア・タイプをロードするようにプロンプトが表示されます。それ以外のほとんどのプリンタでは,DCPS はジョブを印刷せず,代わりにエラーメッセージを返します。

メディア・タイプ・セレクション機能の利点は,ジョブに使用したい用紙が含まれているトレイのトレイ番号を知らなくても,用紙のサイズとメディアのタイプによって用紙の選択が可能な点です。 INPUT_TRAY および MEDIA_TYPE パラメータの両方を指定し,指定のトレイにそのタイプの用紙が含まれていない場合, DCPS はエラー・メッセージを表示します。

メディア・タイプ・セレクションは, PostScript Level 2 および Level 3 プリンタでのみサポートされます。 PostScript Level 1 プリンタに対してメディア・タイプを指定した場合, DCPS はエラー・メッセージを表示します。

MEDIA_TYPE パラメータを使用した場合に表示されるエラー・メッセージとしては,次のようなものがあります。

表 3-1 メディア・タイプ・エラー・メッセージ
エラー・メッセージ 説明
MEDIATYPENOSUP PostScript Level 1 プリンタでは,メディア・タイプ・セレクションはサポートされません。
MEDIATYPENOTAVL printer name では mediatype タイプのメディアはロードされていません。
MEDIATYPENOTRAY printer nametray トレイには, mediatype タイプのメディアはありません。

メディア・タイプ・セレクション機能についての詳細は『 DCPS ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

注意

1 Raw TCP のみ

2 LPD および AppleTalk のみ


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