日本語 HP DECprint Supervisor
(DCPS) for OpenVMS
インストレーション・ガイド


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第 2 章
ソフトウェアのインストール

この章では,POLYCENTER Software Installation Utility (PCSI) による日本語 DECprint Supervisor ソフトウェアのインストール方法について説明します。 PCSI ユーティリティについての詳細と PRODUCT コマンドの使用方法については,『 OpenVMS システム管理者マニュアル』および『 OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』,あるいはオンライン・ヘルプを参照してください。

2.1 概要

日本語 DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS ソフトウェアのインストールは,以下の手順で行ってください。

  1. リリース・ノートのすべての注意事項に目を通します。次のコマンドを使用して,テキスト形式のリリース・ノートを PCSI キットから取り出すことができます。


        $ PRODUCT EXTRACT RELEASE NOTES DCPS -
        _$ [/SOURCE=device:[directory]] -
        _$ [/DESTINATION=device:[directory]]
    


    PostScript 形式のリリース・ノートは次のコマンドで取り出すことができます。


        $ PRODUCT EXTRACT FILE DCPS /SELECT=DCPS A024 _RELEASE_NOTES.PS -
        _$ [/SOURCE=device:[directory]] -
        _$ [/DESTINATION=device:[directory]]
    

  2. 次のような場合は, STOP /QUEUE /NEXTあるいは STOP /QUEUE /RESETコマンドを使用して各 DCPS キューを停止させます。

  3. SYS$SPECIFIC システム領域からすべての DCPS 実行ファイルを削除します *

  4. DCPS のリリース・ノートあるいはその他の情報源の説明に従って, DCPS に影響を与える OpenVMS あるいはその他の製品のパッチがある場合はそれらを適用します。パッチ適用後にシステムのリブートが必要な場合は, DCPS をインストールする前にリブートしておきます。

  5. DCPS をインストールします。

  6. 『 DCPS システム管理者ガイド』で説明しているように, DCPS$STARTUP.COM の作成あるいは更新を行います。たとえば,プロシージャが示す例に従って,このファイルにキュー定義を追加し,論理名 DCPS$MAX_STREAMS の値を設定します。

  7. DCPS$STARTUP.COM を実行して DCPS プリント・キューを開始します。インストレーションが失敗していなければ, DCPS インストレーション・プロシージャは,停止した DCPS キューを再起動します。 DCPS インストレーション・プロシージャがキューを自動的に再起動した後に,ユーザが DCPS 環境あるいは DCPS$STARTUP.COM を変更した場合,それらの変更内容を有効にするためにはすべての DCPS キューを停止させた後,キューを再起動する必要があります。

注意

* インストレーション・プロシージャは,それらのファイルが存在するかどうかチェックします。

2.2 PCSI の表示プロンプト

インストレーション中に,PCSI は質問のためのプロンプトを表示します。質問の最後には,大括弧 ([]) で囲まれたデフォルトの応答が表示されます。応答を入力し [Return] キーを押してください。

デフォルトの応答をそのまま適用する場合は,[Return] キーを押します。応答すべき内容がよくわからない場合は,疑問符 (?) を入力します。 PCSI は応答に関する説明を表示し,プロンプトを再度表示します。

日本語 DECprint Supervisor のインストレーションに固有のメッセージについては, 付録 B.4 節 に示されています。

2.3 ソフトウェアのインストレーション

注意

この節では,DCPS ソフトウェアのインストレーション時に表示されるすべてのテキストを引用しているわけではありません。 PCSI インストレーションの実行例については, 付録 A を参照してください。

インストレーションの手順は以下のとおりです。

  1. PCSI ユーティリティの起動
    次のコマンドを入力してください。


        $ PRODUCT INSTALL DCPS [/SOURCE=device:[directory]]
    


    deviceおよび directoryには, DCPS の PCSI キットの場所を指定します。
    /DESTINATION 修飾子の使用,あるいは論理名 PCSI$DESTINATION の定義による代替インストール先の指定は行わないでください。 DCPS はシステム・ディスクのクラスタ共通領域にインストールする必要があるため,代替インストール先の指定に関係なく,システム・ディスクのクラスタ共通領域にインストールされます。

  2. DCPS キットの選択
    ソース・ディレクトリに複数の DCPS PCSI キットが存在する場合,選択のためのプロンプトが表示されます。次に例を示します。


       1 - HP AXPVMS DCPS V2.3                 Layered Product 
       2 - HP AXPVMS DCPS V2.4                 Layered Product 
       3 - HP I64VMS DCPS V2.4                 Layered Product 
       4 - HP VAXVMS DCPS V2.4                 Layered Product 
       5 - All products listed above 
       6 - Exit 
     
    Choose one or more items from the menu separated by commas: 
    


    インストールしようとしているプラットフォーム用の正しいバージョンの DCPS キットを選択してください。

  3. インストールする製品の確認
    PCSI は次のようなメッセージを表示し,インストールする製品の確認を行います。


    The following product has been selected: 
        HP AXPVMS DCPS V2.4                    Layered Product [Installed] 
     
    Do you want to continue? [YES] 
    


    表示されたのがインストールしたい DCPS キットであれば, [Return] を押してください。

  4. 代替インストール先の確認
    すでに PCSI により DCPS がインストールされているシステムで代替インストール先を指定した場合,次のようなメッセージが表示されます。


    %PCSIUI-W-DESTQUAL, destination qualifier will be ignored for this product 
     
        * When reinstalling a product you cannot specify a destination. 
        * To change the product's destination, remove the product then 
        * install it to a new location.  If you continue this operation, 
        * the product will be reinstalled in its current location. 
     
    Do you want to continue? [YES] 
    


    DCPS は常にシステム・ディスクの SYS$COMMON にインストールを行います。処理を進める場合は [Return] を押てください。

  5. インストレーションの開始
    PCSI は次のようなメッセージを表示してインストレーションを開始します。


    Configuration phase starting ... 
     
    You will be asked to choose options, if any, for each selected product and for 
    any products that may be installed to satisfy software dependency requirements. 
     
    HP AXPVMS DCPS V2.4: HP DECprint Supervisor for OpenVMS 
     
         Copyright   2005   Hewlett-Packard Development Company, L.P. 
    

  6. ディスク容量のチェック
    PCSI は,インストレーションに必要なディスク容量があるかどうかチェックします。ディスク容量が足りない場合,必要なディスク容量を示すメッセージを表示し,イストレーションを中止します。この場合,十分なディスク容量を用意した後,PCSI プロシージャを再度実行します。すでに十分なディスク容量がある場合は,インストレーション・プロシージャは処理を続行します。

  7. キュー・マネージャの実行の確認
    インストレーション・プロシージャは,システムでキュー・マネージャが実行されているかどうか確認します。
    キュー・マネージャが実行されていない場合は, IVP (Installation Verification Procedure) が実行されず次のようなメッセージが画面に表示されます。


        The queue manager is not running.  The IVP will not be run. 
    


    IVP を実行するためには,キュー・マネージャを実行する必要があります。

  8. アクティブな DCPS キューの確認
    DCPS のインストレーションが開始され,システムの DCPS キューの確認が行われます。


    Examining system environment ... 
    


    DCPS プリント・キューがアクティブであれば,次のようなメッセージが表示されます。


        There are 7 DCPS queues, with 5 active. 
     
        All DCPS queues will be stopped before the installation and then 
        restarted after the installation is complete. 
     
    Do you want to see a list of queues? [NO] 
    


    DCPS キューの一覧の表示させる必要がない場合は [Return] キーを押してください。ここで Y をタイプして [Return] キーを押すと,次の例のようにキューの一覧が表示されます。


      Queue         Status  Device 
      -----         ------  ------ 
      HP2300_RAW    Idle    SARAH::"IP_RawTCP/dcpslj2300:9100" 
      HP4200_LPD    Idle    SARAH::"IP_LPD/dcpslj4200" 
      HP4200_RAW    Idle    SARAH::"IP_RawTCP/dcpslj4200:9100" 
      LN17_LAT      Idle    SARAH::"serial/LAT_LN17" 
      LPS17_DECNET  Idle    SARAH::"DECnet/DLPS17" 
    


    この後,インストレーションを続行するかどうかを確認する次のようなプロンプトが表示されます。


    Do you want to stop DCPS queues and continue the installation? [YES] 
    


    このままインストレーションを続行すると,インストレーション・プロシージャによってキューが停止されます。インストレーションを続行する場合は [Return] を押してください。インストレーションを中止する場合は N とタイプしてから [Return] を押してください。続行する場合は,次のようなメッセージが表示されます。


        If the installation fails, DCPS queues may need to be restarted manually. 
     
    Stopping DCPS queues ... 
    

  9. SYS$SPECIFIC にあるファイルの確認
    DCPS のファイルはすべて SYS$COMMON にインストールする必要があります。デバッグやテストのために SYS$SPECIFIC にファイルが置かれる場合がありますが,このような領域に DCPS のファイルが置かれた環境で新たに DCPS をインストールすると,正しく動作しない場合があります。
    SYS$SPECIFIC に DCPS イメージが存在する場合は,新たにインストールする DCPS イメージの代わりに SYS$SPECIFIC の古いイメージで DCPS が実行されてしまうことを示す次のようなメッセージが表示されます。


        This system contains DCPS images in SYS$SPECIFIC: 
     
          SARAH$DKA0:[SYS0.SYSEXE]DCPS$SMB.EXE;1 
     
        The existence of DCPS files in SYS$SPECIFIC is not supported. 
     
        If these files remain, they will be used instead of the DCPS product 
        files you are installing now, and the IVP may test the wrong or 
        mismatched DCPS components.  These files can cause unpredictable DCPS 
        behavior on your system. 
     
    Do you want to continue the installation? [NO] 
    


    このような場合は [Return] キーを押し,インストレーションを中止することをお勧めします。 Y とタイプして [Return] キーを押すと,インストレーションが続行されます。

  10. DCPS$LAYUP の定義
    次にインストレーション・プロシージャは,エグゼクティブ・モードのシステム・テーブルで DCPS$LAYUP 論理名の定義を探します。この論理名は DCPS レイアップ・ファイルの場所を示します。デフォルトの場所は SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] です。
    インストレーション・プロシージャは,サイト固有のディレクトリが定義されていれば新しいバージョンのレイアップ・ファイルをそこに置くため,この場合新しい場所を確認するためのプロンプトは表示しません。レイアップ・ファイルを別のディレクトリに置きたい場合は,通常は非特権ユーザがそのように変更することが可能なので,インストレーションが完了した後で手動でそれらをコピーするとともに SYS$STARTUP:DCPS$REQUIRED.COM コマンド・プロシージャの最後にある DCPS$LAYUP の値を変更してください。


    ディレクトリが存在しないなどの理由でファイルがサイト固有の DCPS$LAYUP ディレクトリにコピーできない場合は,次のようなメッセージが表示されます。


        There is a problem with your definition of DCPS$LAYUP. 
        Layup files will not be copied to DISK$INVALID:[WOOPS]. 
    

  11. ソフトウェアのインストール
    PCSI は, DCPS のインストレーション中に次のようなメッセージを表示します。


    * This product does not have any configuration options. 
     
    Execution phase starting ... 
     
    The following product will be installed to destination: 
        HP AXPVMS DCPS V2.4                    DISK$SYS_SARAH:[VMS$COMMON.] 
     
    Portion done: 0%...10%...20%...30%...40%...50%...60%...70%...80%...90%...100% 
    

  12. 代替インストール先のチェック
    PCSI を使用してシステムに DCPS がインストールされたことがないシステム,あるいはインストールされたことはあるがその後削除されたシステムで,代替インストール先を指定した場合は,以下のようなメッセージが表示されます。


        You have specified an alternate destination by using the /DESTINATION 
        qualifier or defining the logical name PCSI$DESTINATION. 
     
        Since DCPS must reside in cluster common directories, DCPS has has been 
        installed using the default destination of SARAH$DKA0:[SYS0.SYSCOMMON.] 
        instead of the destination you specified, SARAH$DKB0:[OTHER.]. 
    


    このメッセージは,インストールが 90% から 100% 終了した段階で表示されます。

  13. キューの起動
    DCPS ファイルのインストールが完了したら,インストレーションの最初に停止したアクティブ DCPS キューが起動されます。


    Starting DCPS queues ... 
    


    この処理は,インストールが 90% から 100% 終了した段階で行われます。

  14. 正常インストールの確認
    ソフトウェアが正しくインストールされたことを IVP が確認します。システムのキュー・マネージャが実行中であれば, IVP が自動的に実行され,インストレーション・プロシージャは次の処理を行います。

    1. 一時的なプリント・キューを作成します。

    2. [SYSTEST.DCPS] のテスト・ファイルを一時的なプリント・キュー DCPS$IVP_TEST にキューイングします。

    3. 以下のようなメッセージを表示します。


    %PCSI-I-IVPEXECUTE, executing test procedure for HP AXPVMS DCPS V2.4 ... 
     
    Job DCPS$IVP_POST (queue DCPS$IVP_TEST, entry 43) started on DCPS$IVP_TEST 
    %DCPS-I-JOBSTART, Job DCPS$IVP_POST (queue DCPS$IVP_TEST, entry 43) 
          started on DCPS$IVP_TEST 
     
    Job DCPS$IVP_POST (queue DCPS$IVP_TEST, entry 43) completed 
    Job DCPS$IVP_ANSI (queue DCPS$IVP_TEST, entry 44) started on DCPS$IVP_TEST 
    %DCPS-I-JOBSTART, Job DCPS$IVP_ANSI (queue DCPS$IVP_TEST, entry 44) 
          started on DCPS$IVP_TEST 
     
    Job DCPS$IVP_ANSI (queue DCPS$IVP_TEST, entry 44) completed 
    Job DCPS$IVP_REGIS (queue DCPS$IVP_TEST, entry 45) started on DCPS$IVP_TEST 
    %DCPS-I-JOBSTART, Job DCPS$IVP_REGIS (queue DCPS$IVP_TEST, entry 45) 
          started on DCPS$IVP_TEST 
     
    Job DCPS$IVP_REGIS (queue DCPS$IVP_TEST, entry 45) completed 
    Job DCPS$IVP_TEK4014 (queue DCPS$IVP_TEST, entry 46) started on DCPS$IVP_TEST 
    %DCPS-I-JOBSTART, Job DCPS$IVP_TEK4014 (queue DCPS$IVP_TEST, entry 46) 
          started on DCPS$IVP_TEST 
     
    Job DCPS$IVP_TEK4014 (queue DCPS$IVP_TEST, entry 46) completed 
    Job DCPS$IVP_PCL (queue DCPS$IVP_TEST, entry 47) started on DCPS$IVP_TEST 
    %DCPS-I-JOBSTART, Job DCPS$IVP_PCL (queue DCPS$IVP_TEST, entry 47) 
          started on DCPS$IVP_TEST 
     
    Job DCPS$IVP_PCL (queue DCPS$IVP_TEST, entry 47) completed 
    Job DCPS$IVP_PROPRINTER (queue DCPS$IVP_TEST, entry 48) started on DCPS$IVP_TEST 
    %DCPS-I-JOBSTART, Job DCPS$IVP_PROPRINTER (queue DCPS$IVP_TEST, entry 48) 
          started on DCPS$IVP_TEST 
     
    Job DCPS$IVP_PROPRINTER (queue DCPS$IVP_TEST, entry 48) completed 
    Job DCPS$IVP_LIST (queue DCPS$IVP_TEST, entry 49) started on DCPS$IVP_TEST 
    %DCPS-I-JOBSTART, Job DCPS$IVP_LIST (queue DCPS$IVP_TEST, entry 49) 
          started on DCPS$IVP_TEST 
     
    Job DCPS$IVP_LIST (queue DCPS$IVP_TEST, entry 49) completed 
    Job DCPS$IVP_KANJI (queue DCPS$IVP_TEST, entry 50) started on DCPS$IVP_TEST 
    %DCPS-I-JOBSTART, Job DCPS$IVP_KANJI (queue DCPS$IVP_TEST, entry 50) 
          started on DCPS$IVP_TEST 
     
    Job DCPS$IVP_KANJI (queue DCPS$IVP_TEST, entry 50) completed 
    Job DCPS$IVP_KANJI78 (queue DCPS$IVP_TEST, entry 51) started on DCPS$IVP_TEST 
    %DCPS-I-JOBSTART, Job DCPS$IVP_KANJI78 (queue DCPS$IVP_TEST, entry 51) 
          started on DCPS$IVP_TEST 
     
    Job DCPS$IVP_KANJI78 (queue DCPS$IVP_TEST, entry 51) completed 
    Job DCPS$IVP_LA_KANJI (queue DCPS$IVP_TEST, entry 52) started on DCPS$IVP_TEST 
    %DCPS-I-JOBSTART, Job DCPS$IVP_LA_KANJI (queue DCPS$IVP_TEST, entry 52) 
          started on DCPS$IVP_TEST 
     
    Job DCPS$IVP_LA_KANJI (queue DCPS$IVP_TEST, entry 52) completed 
    

    注意

    IVP は,実際の紙出力は行いません。


    IVP が完了したら,テストに使用した一時的なキューは自動的に削除されます。 IVP テスト・ファイルを後で実際のプリンタに出力することもできます (『 DCPS システム管理者ガイド』を参照)。
    次のように入力することにより,インストーレーション後に IVP を手動で起動することもできます。


        $ @SYS$TEST:DCPS$IVP
    


    IVP が完了したら,PCSI は情報メッセージを発行します。


    %PCSI-I-IVPSUCCESS, test procedure completed successfully 
    

  15. インストレーション後の作業
    プリント・キューの作成方法やプリント環境のカスタマイズなどの方法については『 DCPS システム管理者ガイド』を参照してください。


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