日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS
システム管理者ガイド


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11.3.3.1 プリンタを制御するホストの判断方法

別のノードがプリンタをアクセスしている場合や,プリンタが印刷を停止した直後は,ネットワーク・プリンタで印刷を実行できないことがあります。どのホストがプリンタを制御しているかを判断するには,次の操作を実行してください。

ステップ1: プリンティング・ノードを判断する

どのノードがプリンタを動かしているかを判断するには,次のコマンドを入力し,使用するプリント・キューの名前を指定します。


$ SHOW QUEUE/FULL queue-name

次の表示例の1行目から,FIERYがプリンタを動かしているノードであり,LTA546がプリント・キューに対応するアプリケーション・ポートであることを判断できます。


Printer queue LN03R3, on FIERY::LTA546, mounted form DCPS$DEFAULT 
                                                      (stock=DEFAULT) 
    /BASE_PRIORITY=4 /FORM=DCPS$DEFAULT (stock=DEFAULT) 
    /NOENABLE_GENERIC /LIBRARY=DCPS_LIB lowercase /OWNER=[SYSTEM] 
    /PROCESSOR=DCPS$SMB /PROTECTION=(S:E,O:D,G:R,W:W) /SCHEDULE=(NOSIZE) 
    /SEPARATE=(BURST,TRAILER) 
$ 

プリンタを動かしているノード(FIERY)でステップ2とステップ3を実行してください。

ステップ2: プリンタが接続されている LAT ノード名とポート名を判断する

LATスタートアップ・ファイル(SYS$STARTUP:LAT$SYSTARTUP.COM)を調べてください。 SET PORTコマンドは,アプリケーション・ポート(LTAd)をサーバ(/SERVER=server_name)の特定のポート(/PORT=port_name)と対応付けます。


CREATE PORT LTA546: /NOLOG  /APPLICATION                 ! LN03R3 
SET PORT LTA546: /APPLICATION /QUEUE /NODE=TAS204 /PORT=PORT_7 

注意

ポートはキューイングを許可した状態(/QUEUE)に設定し,アプリケーション・ポート(/APPLICATION)として設定しなければなりません。

SYSTARTUP_VMS.COM に LAT$STARTUP.COM が指定されているかどうかを確認してください。

ステップ3: ポートおよびサーバ・システム名を確認する

ポートおよびサーバ・システムの設定はSYS$STARTUP:LAT$SYSTARTUP.COMに指定した設定と同じです。LATCP SHOW PORTコマンドを使用して,アプリケーション・ポート(LTAd)を調べてください。次の例を参照してください。


$ RUN SYS$SYSTEM:LATCP
LCP>SHOW PORT lta546
Local Port Name = LTA546:  application
  
  Specified Remote Node Name = TAS204 
  Specified Remote Port Name = PORT_7 
  Actual Remote Node Name = TAS204 
  Actual Remote Port Name = PORT_7 
  Link Name = LAT$LINK

ステップ4: どのホストがプリンタを制御しているかを判断する

DECserverに直接接続されているターミナルにログインするか,またはネットワークを介して LAT 装置に接続することにより,どのホストがプリンタを制御しているかを判断できます。DECserverポートを直接アクセスできる場合には,ステップ4Bに進んでください。

ステップ4A: LAT 装置に接続する

ネットワークを介してDECserver装置に接続する場合には, Network Control Program (NCP)またはTerminal Server Manager (TSM)を使用します。

NCPを使用するには,次のコマンドを使用します。

NCP CONNECTコマンドを入力した後,シャープ記号(#)プロンプトが表示されるまで,[Return]キーを押してください。このプロンプトが表示された後,パスワード(ACCESS)を入力すると,Local>というプロンプトが表示されます。


# 
username: username
Local> 

ステップ4B: LATコンソールを使用する場合

接続を確立し,LATコンソールにログインした後,次のコマンドを入力してください。


Local> SET PRIVILEGED
Password>
Local> SHOW SESSIONS PORT_7

省略時のパスワードはSYSTEMです。

次の例では,DECserver 200でSHOW SESSIONS PORTコマンドを使用しています。この結果,リモート・システムHAILEYがポート7を制御していることがわかります。


Local> SHOW SESSIONS PORT 7
Port 7:  (Remote)      Connected       Current Session 1 
-Session 1: Hailey     Connected       Pasthru

システムでTSMソフトウェアが実行されている場合には,次のコマンドを入力してください。


$ RUN SYS$SYSTEM:TSM$MAIN
TSM> USE SERVER tas204
TSM> SET PRIVILEGED
Password> 
TSM> SHOW SESSIONS PORT_7

注意

TSMプログラムを実行するには,TSM管理ディレクトリ・ファイルを読み込むことができなければならず,また,OPER特権が必要です。詳しくは『 Guide to Terminal Server Manager 』を参照してください。

11.3.3.2 プリンタ通信に関する問題の解決

どのシステムがプリンタ・ポートを制御しているかを判断した後,次の操作を実行してください。

ステップ1: ポート属性を確認する

LATポート属性を『 DCPS インストレーション・ガイド』に示した属性と比較してください。ポート属性を表示するには,Local>プロンプトまたはTSM>プロンプトに対して SHOW PORTコマンドを入力します。

ステップ2: 第 11.3.1 項 に示した処置を実行する

以下に示す適切な項の処置に従ってください。

これらの処置に従っても,プリンタで印刷できない場合には,ステップ3に進んでください。

ステップ3: LATポートの制御権を再度獲得する

プリンタに接続されているポートを制御するシンビオント・プロセスを切断しなければならないことがあります。たとえば,シンビオント・ソフトウェアのサポートされないバージョンがポートの制御権を獲得した場合には,シンビオント・プロセスは切断されない可能性があります。この場合には,次のコマンドを使用してシンビオント・プロセスを切断してください。


Local> SET PRIVILEGED
Password>
Local> LOGOUT PORT port_number

このコマンドを実行するには,LAT ノードで特権が必要です。

11.3.3.3 一般的なLATエラー・メッセージ

次の一覧は,ネットワーク環境で一般的に出力される可能性のあるエラー・メッセージを示しています。エラー・メッセージの先頭はDCPS$です。重大度レベルは示されません。メッセージは ident-string のアルファベット順にならべられています(エラー・メッセージの形式についての説明は,『 DCPS ユーザーズ・ガイド』を参照してください)。

DCPS$_CONAPPLICATION, Connection request is not to a LAT applications port
説明: このメッセージは通常,LAT ポートがアプリケーション・ポートとして確保されておらず,プリンタから要求されたポートに別の装置が接続されているときに出力されます。LAT 構成ファイルLAT$SYSTARTUP.COMには,次のような行が指定されていなければならず,/APPLICATIONパラメータも指定されていなければなりません。


SET PORT LTAnnn:/NODE=server-name/PORT=port-name/QUEUE/APPLICATION 

この問題を解決するには,プリンタに対して現在より大きいポート番号を指定してください。

DCPS$_CONTERMINATED, Connection abnormally terminated
説明: このメッセージは,LATノードとの通信が中断されたときに発生します。この結果,キューは停止します。次のことを確認してください。

DCPS$_CONTIMEOUT, Connection timed out, server not available, or incorrect server name specified
説明: このメッセージは,サーバ名が認識されないときに出力されます。この問題はユーザ・ターミナルとプリンタ・ポートが衝突することを示します。

プリンタ・ポートに接続されているサーバの名前が正しいかどうかを確認してください。 LAT 構成ファイルLAT$SYSTARTUP.COMに指定したサーバ名と LAT 装置のサーバ名とが一致するかどうかを確認してください。LAT$SYSTARTUP.COMには次のような行が登録されていなければなりません。


SET PORT LTAxxx:/NODE=server_name/PORT=port_name/QUEUE/APPLICATION 

プリンタ・ポートに対応するサーバ名を確認するには,SHOW PORTコマンドを使用します。


Local> SHOW PORT port-name

DCPS$_LRJACCESSDENIED, Access denied
説明: このメッセージは通常,LAT$SYSTARTUP.COMに指定したグループ・コードがプリンタに接続されている LAT 装置のグループと一致しないときに出力されます。この場合,プリンタ・ソフトウェアは LAT ポートをアクセスできません。 LAT 構成ファイル(LAT$SYSTARTUP.COM)には次のような行が登録されていなければなりません。


SET NODE/GROUP=group-list/ENABLE 

LAT$SYSTARTUP.COMに設定されているグループ, /GROUP=group-list を LAT 装置の設定(SHOW PORTコマンド)と比較してください。

DCPS$_LRJDELETED, Queue entry deleted by server
説明: このメッセージは,誰かがマニュアル操作で LAT 装置との接続を終了したときに出力されます。

DCPS$_LRJILLEGAL, Illegal request parameter
説明: このメッセージは,LAT で内部エラーが発生したことを示します。弊社のカスタマ・サポート・センターに連絡し,問題の報告を提出してください。

DCPS$_LRJINUSE, Port or service in use
説明: このメッセージは通常,キュー・パラメータ(/QUEUE)を有効にした状態で port-name が設定されていない場合や,またはキュー・リミットが小さすぎるときに,LAT ポートに出力されます。 LAT 装置で次のコマンドを入力してください。


SET PORT port-name QUEUE ENABLE

DCPS$_LRJNAMEUNKNOWN, Port Name is unknown
説明: このメッセージは,LAT 構成ファイル(LAT$SYSTARTUP.COM)に指定したポート名がサーバで認識されないときに出力されます。LAT 構成ファイル (LAT$SYSTARTUP.COM)に指定したポート名と,サーバに割り当てたプリンタ・ポート名を比較してください。LAT$SYSTARTUP.COMには次のような行が登録されていなければなりません。


SET PORT LTAnnn:/NODE=server-name/PORT=port-name/QUEUE/APPLICATION 

次のコマンドを入力することにより,サーバに対応するプリンタ・ポートの名前を確認してください。


Local> SHOW PORT port-number

DCPS$_LRJNOTOFFERED, Service is not offered on the requested port
説明: このメッセージは通常,LAT ポートでアクセス・モードがREMOTEに設定されていないときに出力されます。次に示すように,SETコマンドとDEFINEコマンドを使用して,ポートのアクセス・モードを設定してください。


Local> SET PORT port-number ACCESS REMOTE
Local> DEFINE PORT port-number ACCESS REMOTE

注意

詳しくは『 DCPS ユーザーズ・ガイド』を参照するか,または LAT 装置の問題解決の手引きを参照してください。

11.3.4 シリアル・プリンタでのログイン対話の禁止

シリアル・プリンタでは,電源投入時の初期化を実行するときに,ホスト・システムに余分なデータを送信します。OpenVMSオペレーティング・システムは通常,ターミナル装置からのデータをログイン要求として解釈します。 DCPS$STARTUP.COMはホスト・システムですべてのプリンタ・ターミナル装置の SECURE_SERVERターミナル属性を設定します。 SECURE_SERVERが設定されている場合には,OpenVMSホストとプリンタは,終了しない可能性のあるログイン時の対話を実行しません。

ログイン時の対話を実行しないようにするには,以下の手続きを行うことにより,ターミナル装置の属性を設定します。

  1. SYSGEN AUTOCONFIGURE

  2. SYSTARTUP_VMS

  3. DCPS$EXECUTION_QUEUE.COM

AUTOCONFIGUREはSYSGENパラメータを使用して,システムのすべてのターミナル装置に省略時のターミナル属性を設定します。SYSGENによってSECURE_SERVERが設定されている場合には,ログイン時の対話に関する問題が発生することはありません。この属性を設定するためのSYSGENパラメータはTTY_DEFCHAR2です。SYSGENパラメータの設定についての説明は『 HP OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

システム・スタートアップ・プロシージャもターミナル属性を設定する可能性があります。このコマンド・ファイルはプリンタ・セットアップ・ファイルより前に実行されるため,SYSTARTUP_VMSファイル内でプリンタ・ターミナル装置に対して SECURE_SERVERが設定されている場合には,ログイン時の対話に関する問題が発生する可能性はさらに低くなります。

DCPS$EXECUTION_QUEUE.COM (プリンタ実行キュー・コマンド・ファイル)は,省略時の設定により,プリンタ・ターミナル装置のSECURE_SERVERターミナル属性を設定します。このファイルはソフトウェア・キットに添付されています。

プリンタがローカル・エリアEthernet内の LAT 装置で構成されている場合には, LAT ポートとプリンタのターミナル・サーバ属性を設定することにより,ログイン時の対話をできるだけ少なくしてください。LAT ポート属性については『 DCPS インストレーション・ガイド』を参照してください。

11.4 印刷速度が期待される速度より遅い場合の処置

印刷速度が低下するのは次のいずれかの理由によります。

複雑なテキスト・ジョブとして,ダウンロードされた多くのフォントを1ページで使用するジョブや,外字を多く印刷するジョブがあります。このようなジョブは常に長い印刷時間を必要とします。

シリアル・プリンタでテキスト・ジョブの印刷の前に約30秒の遅延時間が必ずあるときは,テキスト・トランスレータとプリント・ジョブの間でテキスト・トランスレータ・プロローグが一致しないと考えることができます。この場合には,シリアル・プリンタの電源を切断した後,再度投入し,適切なプロローグを常駐させてください。最初のテキスト・ジョブはプロローグのロードのために遅延しますが,2番目以降のテキスト・ジョブはプロローグをロードする必要がないため,これまでより効率よく印刷されます。

異なるバージョンの印刷システムを実行している複数のノードにプリンタが接続されている場合には,プリンタの電源を切断した後,再度投入しても,30秒の遅延時間が発生します。プリンタに最初に接続されたノードは,プロローグを常駐させます。他のノードのプリント・ジョブは,毎回プロローグをロードしなければなりません。この場合,遅延時間が発生しないようにするには,各ノードで DECprint Supervisor ソフトウェアの同じバージョンを実行しなければなりません。


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